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449 虎の巡回 序 2011/06/19(日) 20 52 19.49 ID 1I6Pb89e 450 虎の巡回 ① 2011/06/19(日) 20 56 44.08 ID 1I6Pb89e 451 虎の巡回 ② 2011/06/19(日) 21 01 49.20 ID 1I6Pb89e 452 虎の巡回 ③ 2011/06/19(日) 21 06 52.28 ID 1I6Pb89e 453 虎の巡回 ④ 2011/06/19(日) 21 11 48.67 ID 1I6Pb89e 454 虎の巡回 ⑤ 2011/06/19(日) 21 16 50.08 ID 1I6Pb89e 455 虎の巡回 ⑥ 2011/06/19(日) 21 21 52.35 ID 1I6Pb89e うむむ、なんじゃろねー諸々停滞しとる感じ あ、どもー、来ました 441 さん レスに感謝します …フフフ、いいんですね? 好きにやっちゃってふふフフフ 絹ちゃんはええ子やしハッちゃんは捨て身で(笑)がんばっとるし来週以降は燃料補給が どんとあるからきっと大丈夫 だといいな そんなわけで、SS投下でございます 6~7レスれす どぞ 出 演:照、菫、龍門渕・姫松・宮守・永水・風越(上京組) 各校の皆さん 百合分:根底に流れる百合萌え魂 エロ:いつもすんません ばか:駆け抜ける、ばか お姉ちゃんが、もし他校の面々と遭遇していたら、です ※厨2てるてる注意 黒ポエムあります それでは ↓スタート **************** 「 迷 宮 」 「あー腹減ったー。とっととホテル戻って、飯食いに行こーぜ」 ぐっと伸びをしながら、じゅんがそう言った。 ここは全国大会会場2F、観戦会場から1階大ホールへと続く通路である。 この日は1回戦のみ行われた。シード校は翌日からの登場となる。 「じゅんくん、もうお腹減ったの?」 はじめが苦笑している。 「あー、昼飯のボリュームが足りなかった。あれで大盛りはないよなー」 「……レディースランチの大盛りなんて、頼むのじゅんくらい……」 ともきが呟く。少し笑いを堪えているようだ。 ”乙女のためのカロリー控えめ”がまるっきり台無しな量だったが、じゅんはそれを、清々しい ほどあっさり、ぺろりと平らげた。最初注文を受けたとき、目を丸くしていたウェイトレスの お姉さんに大いに受けて、デザートを一品サービスしてもらったくらいだ。 「まったく、あれだけの量で足りないとか。一体どこに入ってるのかしら?」 透華が少しあきれたように、笑いながら言った。 「うるへー、今度は特盛りでいくぜっ」 「そんなのメニューにないよ、じゅんくん。今日は特別サービスじゃない?」 「ぇえ? そうなのか? ……って、あれ、おい、ころもは?」 一緒にいたはずの衣が見あたらない。慌てて周囲を見渡すと、「あ、あんなところに」 通路の突き当たり、1階大ホールをぐるりと回り込むように配置された回廊に交錯する位置に、 衣が立っていた。吹き抜け構造となっているため、ホール全体が見渡せる場所だ。 「ころも、どしたの? 行くよ?」 はじめが駆け寄り、声をかけた。 「虎め……この上更に、威力を充溢とはな……」 衣は不敵な笑みを浮かべているが、同時にその顔は少し青ざめている。 はじめが衣の視線の先を追う。「あ、宮永、照……」 ホールの端を、宮永照が一人で歩いていた。照に気づいた通行人が、慌てて道をあけている。 「観戦、してたのかな?」 「この威圧感……相変わらずですわね」 傍に来た透華の頬を、一筋の汗が伝った。ただ歩いているだけなのに、その周りの空気までが、 強い重力を帯びているように感じられる。思い込みかもしれない。だが、そう感じさせるほど、 昨年の照は強かった。強過ぎた。 「……清澄、勝てる?」 ともきが衣に訊いた。 「わからぬ。ただ、少々見込みが甘かったようだ。虎の力、昨年の比ではない」 厳しい表情で、衣が言った。「あれでは、まるで……」 少し震えている。 「どんな強敵だって、やってみなきゃわかんねーさ。ま、その前に決勝に進まねーとな」 そう言いつつ、純が衣の頭をくしゃっとなでた。 「……うむ。その通りだ」 少し緊張が解れたように、衣が軽くため息をついた。 * * 「おっしゃ! この調子で日本一、さくっと獲ったるでー!」 愛宕洋榎が吼える。 1回戦を危なげなく突破した姫松の面々は、宿舎に戻るべく通路を意気揚々と闊歩していた。 「本番は明日からです。ここまでは予測と大きなブレはありませんが、油断は禁物ですよ」 「わかっとるて! 末原ちゃんは心配性やなー」 洋榎が振り向いて、ニヤッと笑った。 「見とれ~やったるでー! 白糸台永水臨海なんぼのモンじゃい! 姫松魂、見せたらぁー!」 「おおー! なのよー!」 「おねーちゃん! カッコイー!」 由子と絹恵がはやし立てる。 「うう……なんや緊張してきました」 漫が弱音を吐いた。 「こーら、元気出しっ! 漫ちゃんはうちの切り込み隊長やろ!」 洋榎がバシッと漫の背中を叩いた。「あたっ、とと……、あ、わっ」 2、3歩たたらを踏んで前に押し出された漫が、そのとき丁度曲がり角から出てきた人影の 胸のあたりに、ぽふっと顔を押しつける形でぶつかった。 「あわわ、すみませ……っ、わわ! わ、みっみみみみみ」 (み、宮永照!) 照は無言で立っている。姫松勢に緊張が走る。 (うわー宮永照や本物やー! 近っ! べ、べっぴんさんやなー…なんやええ匂いするし…) 照の顔をじっと見たまま、漫が固まった。(な、なんやろ、この人の瞳……きれい、やけど) 無表情のまま、照は漫の目を見つめ返す。緋色の瞳に、漫の姿が映し出されている。 漫は、何故か恐怖を覚えて、軽く身を震わせた。透明度の高い深い深い湖の底……、いや、遙か 彼方何億光年も先の深淵、漆黒の闇でありながら巨大なエネルギーをはらんだ暗黒星雲を覗き込 んだような、吸い込まれるような、恐怖。 だが、魅入られたように目が離せない。 「……平気?」 囁くように、照が呟いた。「? え? あっ、はひっ! すすすんません!」 「……ん」 漫の耳元に、すっと照が手を伸ばした。「あ、……ひゃっ」 漫の首が縮こまる。 少し乱れていた漫の髪を、照が指で軽くすいた。(あ、指、冷た……気持ちええ) それ以上なにも言わずに、ふらりと照が歩き出した。 照がその場を離れてからたっぷり1分程も、姫松の面々は固まっていた。 「び、び、ビビッてへんぞー!」 洋榎が吼えた。それを合図に、はっと皆の硬直が解けた。 「ひ、洋榎ちゃん、膝カクカクゆーてるのよー」 冷や汗をかきつつ、由子が言った。 「おねーちゃん、カッコわる……でもカワイイ」 洋榎の背中を、絹恵がそっと支えた。 「はぁ~、び、びっくりしたぁ~。なんやすごい迫力やったですね」 漫が恭子に声をかける。 「……ポーっとしおってからに」 「へ? あの、先輩?」 「ふん。そないに宮永照が気に入ったんなら、白糸台の子ぉになったらええねん」 ぷいっとそっぽを向く恭子。 「ぇええっ! そ、そんなんちゃいますよ!」 「……どーだかなー」 ムスッ 「えとあの、そう! 末原先輩のがずっとかっこええです!」 「おせじはええねん」 ぷいっ 「そんなぁ、せんぱぁ~い」 「ふんっ」 スタスタと先を行く恭子を、漫が追って行った。 「あはは、犬も食わないのよー」 「ですね」 クスクス 「びびってへんのやー!」 (しっかし、まさに虎なのよー。決勝行ったら、漫ちゃん、アレと闘うんか……) * * 「! ……何か、来る」 最初に気づいたのは、小瀬川白望だった。 通路に設置された自販機の脇のベンチソファーに、宮守のメンバーたちが座っている。 「? 来るって何が?」 白望の膝の上から、鹿倉胡桃が訊いた。充電中なのだ。 「……」 白望は15メートル程離れた通路の先、T字路の突き当たりをじっと凝視している。 「……おー、こりゃこわいねー」 姉帯豊音が台詞とは裏腹の暢気な声で言った。 白望の見つめる先、右側から人影が現れた。少し俯き加減で、ゆっくりと歩いている。 「みやながてるっ!」 身を乗り出し膝からずり落ちそうになった胡桃を、白望が抱え直した。 「な、なんでこんなとこ、一人で」 臼沢塞が慌てて単眼鏡を掛ける。 ふと照が足を止め、チラリとこちら側に目を向けた。瞬間、ギシッとまるで周りの空気ごと固め られたかのように、宮守の面々が硬直する。 「……」 一瞥をくれた後、通路の向こう側、左方向に照が進み、姿が見えなくなった。 「…うっはぁ~、さすがの威圧感、こわ」 硬直が解けて、塞が大きくため息をついた。 「の、飲まれてるんじゃないよっ! ただ歩いてただけでねかっ!!」 胡桃ぷんすか。 (あれで多分、抑えてるんだよなぁ……宮永は先鋒、闘うのは私……きっついなぁ) 「シロ」 トントンと肩を叩かれそっちを向くと、エイスリンがスケッチブックを掲げている。 紙面に二人の女の子が描かれていた。一人は赤い髪で、しゃがんでべそをかいている。白い髪の もう一人は、どやっとふんぞり返っている。即興で描いたわりには、よく描けていると思う。 「……ん、ま、がんばってみるよ。ダルいけど」 エイスリンがにっこりと笑った。 「やー、遠目に見てもやっぱりめんこいしカッコイイねー、宮永さん」 豊音が暢気に呟いた。 「あんたはもうそんなんばっかり! もっと他に言うことないのっ?」 ぷんすかぷん。 「ほか? んー、わかったことならあるよ。あの宮永さんだって、完璧ってワケじゃないよね」 「えっ、まさか弱点とか!? トヨネ! 何か気づいたのっ!?」 「うん、あれで原村さんとか神代さんくらい胸あったら、パーフェクトなのにねー」 「……バ ッ カ で な い の っ !!」 「……私は、あのくらいが好みだけどなぁ……」 「しろっ!」 ぷんすかぷんぷん。 * * 「ね、ハッちゃん、あれ」 狩宿巴が薄墨初美の肩を叩く。 「はい? ……おー、虎さんですよー」 ホールの向こう側を宮永照が歩いていた。 ここは1階大ホールである。本日の対局全てが終了して小一時間程も過ぎている。混雑という 程ではないが、まだ宿舎に戻る選手たちや関係者、取材陣などの姿もちらほらと残っており、 ホールはそれなりにざわめいている。 「私たちと同じく観戦かなー、でも一人で?」 「はてさてですねー」 (虎のお姫様、今年の永水は万全ですよー。今度こそ、虎退治と参ります。……よーし) ニヤリと初美が口の端をつり上げ、懐から人型をした小さな紙片を取り出した。 「ちょ、ちょっとハッちゃん、何を」 「ほんのちょっと、ご挨拶ですよー」 紙片を口の先に掲げ、小さく素早く何事かを呟き、フッと息を吹きかけた。 スーッと真っ直ぐ一直線に、紙片が照に向かって飛んでいった。ホールの正面玄関は一部解放さ れていて、少し夕刻の風が吹き込んでいたが、全くその影響を受けていないかのようである。 (魔王め、黄泉平坂、覗き見るがいいですよー) 指を二本口先に突き立て、小声で何事かを 囁きながら、初美は照の方を凝視していた。 まさに紙片が到達するかという瞬間、「……っう!!」 突然、照がこちらを振り向いた。 ビシッと縛られたように、動けなくなった。照が緋色の瞳を大きく見開き、こちらを見ている。 「あっ、ぐ……う」 隣の巴も、動けないようだ。(くっ! ……しまっ……た) 照がこちらに向かって歩いてくる。その眼前には紙片が浮いたままだ。一種異様な事態が展開し ていたが、周囲にそれと気づいた者はいないようだ。ホールは平穏なざわめきに包まれている。 「……」 無言の照が、初美の前に立った。照がその目を細めると同時に、紙片がポッと小さく 燃え上がり、灰も残さず跡形もなく消えた。(お、お、のれ、) 覆い被さるような圧力に対抗 して、初美がぶるぶると震えた。 そのとき、白い和服の両袖が、初美を背後からふわりと包み込んだ。「! ひ、めさま……」 神代小蒔であった。その左に滝見春、右側には巴を抱えるようにして、石戸霞が立っていた。 「身内の者が、大変ご無礼いたしました。陳謝いたします。よく言って聞かせます故、どうか この場は、お収めくださいませんでしょうか」 初美を抱えたまま、小蒔が頭を下げた。 「……」 照と小蒔が対峙してから数瞬の間をおいて、突然初美の金縛りが解けた。いきなりで 腰が抜けそうになったが、小蒔がしっかりと初美を支えた。同様に霞が巴を抱えている。 「くっ、はぁ……う」 小さく喘いで小蒔の胸にもたれる初美に、照がスッと顔を寄せた。 冷たく燃え盛る緋色の瞳が、間近に迫る。(き、キレイ、ですねー)こんな状況なのに、そんな 言葉が浮かんでくる。心を鷲掴みされたように、初美は目が離せない。 「悪石の巫女よ、ひとつ、教えてやろう」 静かに囁く。その表情から、感情は読みとれない。 「……地獄というのは、この世のことだ」 そう言うと、ふぃっと離れ、歩き去っていった。 照の姿が見えなくなってから、一つため息をついて、小蒔が初美に優しく語りかけた。 「ふぅー…。ハッちゃん、大丈夫ですか?」 「ひ、姫様、すみません……」 「もうおいたはダメですよ?」 にっこりと笑う。 「う……はい。ゆ、油断しました」 (うう、姫様にかっこわるいとこ、見られましたー。虎め~、この借り、必ず返しますよー!) 「……」 春がよしよしと初美の頭をなでた。ポリポリ 「小蒔ちゃ…、いえ、姫様、念のため護法陣、敷きますか?」 霞が訊いた。その腕の中の巴は、青い顔でぐったりしている。 「いいえ、その必要はありません。あの方は、猛虎でも暴君でも、魔王でもありません」 (しかし、なんという凄まじい威力。 これは怒り? 悲しみ? 憂い? いや……) 照の去った方角を、小蒔がじっと見つめる。(あの方を救うなど……私にできるのでしょうか) 軽く頭を振って、きゅっと唇をかみしめた。弱気の虫を振り払う。 昨年、決めたのだ。泣きじゃくる緋色の瞳の少女の姿を、一瞬、垣間見たときに。 照から放たれる圧倒的なパワーの奔流の向こう側に、その子は独りで立っていた。 だが声を届けることも、近づくこともできなかった。でもそのとき、あの子を救うと、 きっとそうすると誓ったのだ。あの子は今も、独りぼっちで泣いている。 (待っていてね、必ず、必ずそこに行くからね……この身命を、賭してでも……) * * 悪石の巫女、か。相変わらずやんちゃな奴だ。そう言えば、月詠の巫女や龍の眷族の気配 もあったな。奴らは確か、信州長野……。つまり咲、お前はあれらに勝ったのだよね? 麻雀を嫌いなまま、月詠の巫女を倒したの? ふふっ、それは一体どれほどの憎悪なのだろう。 どれほど私を、憎んで恨んでいるのだろう。 両親の破局が決定的となったとき、咲は激しく取り乱した。 余りに幼い咲の心に、大人の事情を分かれなどと、むごいことであったと思う。 まして、もとより優しくて情の厚い子だ。まさに青天の霹靂だったことだろう。 どうして どうしておねえちゃんやおかあさんと はなればなれにならなきゃいけないの 咲、仕方ないの お父さんとお母さんは、もう さきがいけないの? みんなさきがきらいになったの? おねえちゃんもなの? 違うよ咲、私がお前を嫌いになんて ごめんなさいごめんなさい おねがいおねがい いいこにするから いいこになるから 父と母は、私たちに何の相談もなしに、別居することを決めていた。会話は極端に減ってはいた が、特に修羅場があったというわけでもなく、突然、家族の終わりを告げられた。具体的に何が あったのかなんて、知るはずもないし知りたくもなかった。どうでもいい。何があったにせよ、 家族の形を維持できないと、放棄したのが彼ら自身であることに変わりはない。 結局、あの人たちは親である前に、只の男と女だったということなのだろう。 いや、雄と雌、と言った方がしっくりくるのか? フフ。それだけのこと。よくある話。 基本的には分別のある善良な人たちであると思う。愛を語り合うことだって、当然あった筈だ。 だが人は、状況が不幸な形でかみ合えば、どんなものであれ容易にエゴの鬼と化す。簡単だ。 それをあさましいと感じたのは、真にそうであるからなのか、私もまた幼かったからなのか。 一度壊れてしまったならば、完全に元の形に戻ることなどあり得ないのだと、世の理を理解した のはそのときだ。しかしこれもまた、青臭い皮肉な思考と言えるのだろうか。 咲、離れてたって私たちはずっといっしょだよ 咲と私は 永遠に姉妹なんだもの いや いやだよ いっしょにいて おねえちゃん さきがすきなら きらいでないなら そうだ 咲、麻雀しよっか ねえ約束しよう ふたりで麻雀を続けていれば、きっとまた いや いやだ きらいきらいみんなキライ まーじゃんなんて だいきらい 咲、さき ねえきいて おねえちゃんは きらいきらいぜんぶキライ おねえちゃんなんて だ い っ キ ラ イ 「っ……」 胸のあたりをギュッと握りしめ、通路の壁にもたれ掛かる。 なんと情けない。すべて捨て去ると決めた筈だろう。 覇王となって、麻雀そのものも、何もかも、すべてを終わらせると決めたではないか。 「あの、大丈夫ですか?」 優しく声をかけられた。 色素の薄い、何故か片目を瞑った少女が立っていた。 「(か、華菜ちゃん、この人、宮永照だよ)」 「(うにゃ、ホンとだっ、ほ、本物だし)」 少女と一緒にいる二人が、小声で会話をしている。 「気分が悪いのでしたら、医務室にお連れしますけれど」 「平気。なんでもない……ありがとう」 その場を立ち去ろうと、壁に手をつく。 「あ、あの、西東京の宮永照さん、ですよね? 私、長野の福路美穂子と申します」 長野? 清澄か? いや、制服が違う。個人戦の選手か、それとも応援か。 「あの私、清澄の宮永咲さん、妹さんとは……」 美穂子が一歩前に出て、何かを言いかけた。 「 黙 れ 」 ゴッと強い圧力が、風越の3人を打った。 「う! ……くっ」 「(はぅっ、う、動けない……し)」 「(か、華菜ちゃ……)」 照がゆらりと壁から身を起こした。 一瞬厳しい表情で美穂子をにらんだが、すぐさま元の無表情に戻った。 「……関係ないんだ。私に、妹は、……いない」 美穂子の右目が開いていた。瑠璃色の瞳に、照が映っている。赤と青の視線が交錯する。 「……あ、う」 伝えなければ。妹さんの、彼女の想いを。何故か強く、そう感じた。 美穂子は懸命に言葉を繋げようとしたが、声が出ない。そうしているうちに、ほんの一瞬、 悲しそうに顔を歪めて、照は踵を返した。 「……っぷはぁ~、何だったんだ、今の……。キャ、キャプテン、大丈夫ですか?」 心配そうに、華菜が美穂子の腕を取った。 「え? え、ええ大丈夫よ」 またやってしまったのかしら……。自分には、どうにも気の利かないところがある。空気が読め ない、ということなのか。うざいと言われたりするのも、その辺りが理由なのかもしれない。 合宿の露天風呂で、西田さんから聞いた話をそのまま伝えて、少なからず宮永咲さんを傷つけて しまったりもした。以来、あの姉妹のことはずっと気にかかっている。 (私に何か、できることは……) 胸に手を当て、瑠璃の瞳をゆっくりと閉じた。 * * 「照っ!」 名を呼ばれると同時に、背後から腕を捕まれた。 「すまない、す、少し手間取った」 軽く息を弾ませながら、弘世菫が立っていた。 走ってきたのか。何故お前が謝るんだ。何だろう、不思議な奴だ。 上京してから母と二人暮らしだったが、高校進学と同時に寮に入った。菫とは、その頃からの つき合いだ。母とは年に1回三者面談のときくらいしか会わない。父とは上京以来、連絡を取 っていない。二人の今の暮らしぶりも知らない。思えば今は、菫と一緒にいる時間が一番長い。 私に対しては、大抵の者は引いた様子で距離を置く。それはそうだ。私はどこか壊れている。 それでも寄ってくる者の大半は、インハイチャンプ宮永照に用がある。利するところを望んで。 当たり前だ。是非もない。だが菫は、どこかそうした人々とは違う。例えば今のように、私が 不安定なときほど決まって、いつの間にか私の傍に立っている。いつも。 とはいえ、傍に立っているだけだ。あまり過度に干渉しようとはしてこない。 しかし離れようとはしない。離そうとしない。決して。 「迷ったらあまり動かないでいてくれると、助かるんだがな」 小首を傾げて、菫が笑った。ダメだ。優しくするな。 「なんで、お前は」 「ん? 何だ?」 菫、お前は私がなそうとしていることを知ったら、なんと言うだろう。 怒るだろうか。それとも鼻で笑うだろうか。そうして離れていくのだろうか。 いずれにしろ私は、この優しい友人の美しい顔をも、悲しみに歪ませることになるのだろうか。 「……菫、あまり私に構うな。私は多分、」 きっとお前を ウラギルコトニ ナルノダカラ。 「? ……ふむ」 菫がぐっと顔を寄せて、照の瞳を真正面から覗き込んだ。 「どうにも落ち着かん、という感じだな。ふらふらするから迷うんだぞ?」 「……きっと、菫だって……」 「?? ……」 少し困ったような顔をしてから、ふんっと不敵に笑って、菫が言った。 「おい、あんまり私を見くびるなよ。何処にいようと、私は絶対にお前を見つけだす」 静かに笑って、照の腕を掴んだ手に、ぐっと力を込めた。 「いいか、絶対だ。だから安心しろ」 菫の手から、何か暖かいものが流れ込んでくる。 「……ばか」 「? ……何で?」 めちゃくちゃ頭が良くて切れ者のくせに、時々こうして、菫はズレていることがある。 「失敬な奴だな、何で私がバカなんだ?」 「……知らないよ、ばか」 今はまだ、この優しいくびきに身を委ねるのもいいだろう。 いよいよ闘いが始まれば、余計なことに思い煩わされることも無くなるだろう。 そうして私は、愛するものを、壊してしまう 捨て去って尚、とわにひとつであるために そうして私は、そのまま真っ直ぐ 血塗ラレタ覇道ヲ進ムノダ 有象無象の餓狼たちよ 愛すべき あさましい我執の鬼たちよ お前たちは 終わりの始まりのときに 立ち会うのダ 赦しを乞う必要はない それは全く 無駄なコトだ 抗う機会は与えよう だがソレも全く 無駄ナコトダ オマエタチニ 出来ルことは 二つだけ タダ 恐怖ニ震エ そして 歓喜セヨ ……押し黙った照を見つめて、菫は思う。ここ最近、強く感じることがある。 こんなことを言ったら叱られそうだが、多分自分は、麻雀の勝ち負けなど割とどうでも よくなっている。ただ、守る。……一体何から? よくわからない。はっきりしない。 でも、誓う。 強く。 コイツを、照を、守るのだ。 ******************** 以上 読了感謝 ですよー 456 虎の巡回 蛇足 2011/06/19(日) 21 26 46.86 ID 1I6Pb89e はい、お疲れさまでした ありがとうございました 早速やらかしました好き勝手♪ いやその、最初はイケメンてるてるのジゴロストーリーにしようと思ってたんですけど なんでお姉ちゃん怒ってるのかなーとか考え出したら、あれよあれよと話があさっての方向に …んで結局ヤンデレてるてる… SSって、面白いよネッ あ、痛い 石は、石はヤメテ投げないで で、でもほら、ある意味モテモテてるてるで、あ痛っ でもホント何怒ってるんですかねー 大事にとっておいたプリンを咲ちゃんに食べられちゃったから、という説が現在最有力だとか やばい なんか暗い おまけに厨2全開 でも楽しい黒ポエム……やべえフヒヒ でも暗くったって大丈夫、このお話の行き着く先は、210や 、280なのです ヒャッハー! 良い子は幸せになるんだぁー! みーんな幸せにしてやらーーーっ! ではまたー
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499 名前:おまじない(優→和×咲)[sage] 投稿日:2009/05/25(月) 22 48 48 ID T25satw5 県大会、インターハイ予選の前日のこと。 久しぶりに、優希と二人きりの時間となりました。 「のどちゃんひとりか?珍しいなー。」 「ええ。宮永さんも図書室に寄ってからだそうですし、少し牌譜を。」 珍しいという言葉に、胸が、チクリと痛む。 平静を装ったつもりでしたが、 実際のところ、優希に申し訳ない気持ちで一杯でした。 「気にすんな。京太郎をからかうのも楽しいから。」 「何も言っていないのに、解ってしまうんですね。」 「のどちゃんのことなら殆ど解るし判るじぇ。」 「ええ。去年のことは、一生の思い出です。」 「私は、タコスさえ作ってくれれば、いつ来てくれても構わないからな。」 「ありがとう……優希。」 どちらともなく、キスをする。 優希の華奢な体が暖かくて、とても安心できました。 …… … 「これは、感謝の気持ちです。……んっ」 「これは、幸福祈願だじぇ…っん♪」 「これは、インターハイに進む為……」 「これは、全国優勝する為……」 おどけてキスマークをつける優希に、心を込めて、お返しをする私。 去年とは、違う関係。でも、この絆だけは変わりません。
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SS投下します。メインは智紀と透華と一。ただし透華の所へ来た時期が以下 ハギヨシ(最初から) 衣(小6。4月)→歩(中1。4月。つまり透華達中2。4月)→同年6月に衣の事を透華に打ち明ける。 それまでは、透華は衣と同じクラスにさせてもらえず、衣は友達の事は問題ないと答え (衣的に透華が居ればそれで良い)、他の人は変に関わりたくないから噂話でも衣の話はせず 透華は知らなかった。→部活メンバー集め(衣は透華は友達じゃなかったのだと更にグレる。) →純(中2。12月)→智紀(中2。3月)→一(中3。7月) というオリジナル設定。というかこうじゃないとこの話ちゃんちゃら大崩壊なので・・・ いや、大分いじれば・・・?でも、そんな体力は無いです・・・ごめんなさい では透華×一。前編。他にもオリジナル設定満載・・・。これと最後のレス含めて全10レスの予定 342 :名無しさん@秘密の花園:2009/11/01(日) 22 06 48 ID iE7j91gQ ☆☆☆ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ 「・・・・・・熱い・・・」 蝉の合唱もとうに過ぎ、肌を突き刺す風が吹き始める頃。 洋館屋敷の一室で声の主、龍門渕透華は声を上げた。 熱い。という言葉通り、 月明かりに照らされたベッドの上には熱さに苦しむ透華の姿が見えた。 どこかで風邪でも貰ってきてしまったのだろうか。 と透華は考える。 しかし、ここのところ家の者は一人でも外に出た跡は無く 誰かが病気に罹ったという報告も受けていない。 今日も、いつもと変わらぬ生活を過ごした筈なのに 子の刻を過ぎるや否や、急激に身体が熱を帯び始めた。 既に、着ていたネグリジェは身体にへばり付き 呼吸もままならない状態になっていた。汗が出過ぎている。 「流石に、・・・まずい、ですわ・・・」 これ以上は危険だと思い、人を呼ぼうとしたその時。 透華はある事に思い当たった。普段とは異なる事、 今日、いつもはしない人物の起こした行動・・・。 「ま・・・さ、か」 しかし透華はそれ以上思考を働かせることは出来ず、 意識が薄れていった。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ☆☆☆ 大きな窓から差し込む朝日に 眩い思いをしながら廊下を突き進む。 今日から2日間は久々の休暇だ。 殆どの使用人は昨日の内に家に帰り、 今頃滅多に無いのんびりとした朝を堪能している事だろう。 ボクの仲間達も 純が昨日、大量の食材を抱えて「ちょっくら旅に出てくる」と旅立って行き、 歩は病気の祖母を看病しに家に戻り、ともきーは何も言わず部屋に帰った。 つまり透華とボクと衣は休日をこの場で過ごし、ともきーが不確定といったところか。 ボクは帰らないのかって?ボクはこの屋敷主の孫娘の専属メイド だから例え休暇であっても主人を置いて一人帰る事は許されないのだ。 ・・・・・・本当は帰るように促されたけど、一年365日 期限付きの関係というのもあって、 一日でも長く一緒に居たいというのが本音だった。 そういう訳でボクは今、 ある種の命令違反を犯してこの場所にいて いつもの習慣でとーかを起こしに向かっているところだ。 衣は、一段と冷えた今日は恐らく一日起きる事は無いと思う。 普段一緒に居る人達が居ないことで、事実上とーかと二人っきり になれる可能性がある事に少しばかりの 期待を膨らませながら目的の場所に着いた。 コンコン。とノックをするが返事は無い。しかしそれはいつもの事で ボクが起こしに来るより先にとーかが起きていた事は一度も無い。 私室に入り、そして寝室の扉を開ける。 朝日に照らされ、そこは何とも神秘的な空間となっていた。 毎度この輝かしさに、しばらく足が竦んでしまう。 「とーか、朝だよ」 起きて。と言っても呼びかけだけで起きた例は無い。 そこでボクはいつもの強硬手段に出る。 「ほら、起きて。」 そう呼びかけながら勢いよく布団を剥ぎ取った。 「ッ!!?」 そしてボクは、信じられない様な光景を目にした――― ☆☆☆ 『 ツイン=カプセル R』 ☆☆☆ 誰も居ない廊下を一人歩く。 日差しは大分高く上り、晴天恒常。 休日とはいえ家に戻る気は無かった。素直に言えば私は自分の家が嫌いだ。 それでも透華にはたまには帰った方が良いと言われるけれども その内努力すると告げるといつもハァと小さく溜息を漏らすだけで特に強制はしてこない。 特に目的も無くふらふら歩いていると一がコソコソ部屋から出ようとするのが見えた。 あの部屋は―――透華の私室・・・。 私はある事に思い当たり一に声を掛ける 「一。」 「わッ!!!」 相当驚いたのか、一は滅多に上げない大声で叫んだ。 「あ、ともきー。おはよう。」ハハと一は繕う。 「お早う。どうかした?」 「え?」 「何か真剣だったけれど。」 「うん・・・、・・・実は」一は何かをひょいっと持ち上げた。 「・・・・・・。・・・・・・。一にこんな大きい子供がいたなんて。」 「い、いやいやボクの子じゃないから!この子は、」 「龍門渕透華ですわ。」 ・・・6歳くらいの子供が、言い放った。 ・・・金のウェーブかかったふわふわの髪に、特徴的なアンテナ。 それにクリクリとした青い目が可愛らしい。顔立ちも透華に似ている。 ・・・なるほど。 「透華?」 「ええ。それに私のお父様はこんなちんちくりんではないですわ。」 「ち、ちんちくりん・・・?」 普段透華はそんな風に自分を見ていたのか、確かにボクは 小さいし頼りないよね・・・と今一は落ち込んでいるのだろう、肩が落ちている。 「透華?」 大分長く一緒に居るので私の会話未満の言葉でも 仲間達は私が何を聞きたいのか分かってくれる。 「うん。朝、とーかを起こしに行ったんだ。そうしたら」 一はさっきまでの出来事を話し始める・・・。 ☆☆☆ 布団を取ったボクは目が点になった。 だってそこには本来居るはずのとーかじゃなくて、小さい女の子が居たのだから。 「な、ななな??!」 「う、ん・・・もう何ですの?」 ボクの慌てふためく声が五月蝿かったのか、目が覚めたらしい その子はむくっと起き上がった。目にはまだ涙が浮かんでいる。 「あ、えっと、あの、君は??」 「ん・・・ー?わたくし?」 「私はこの部屋の主ですわ。あなたこそ何ですの?」 ファ~と欠伸をしながら女の子は答えた。 この部屋の主?じゃあこの子は、 「と、とーか??」 「透華ですわ。」 「とーかなんだよね?ボクだよ?分からない?」 「・・・存じ上げませんわ」 「そう・・・」 一体どういう事だろう。とーかだとこの子は言うけれど。 確かにとーかのベッドに居るし、とーかの服を着ているし でもそうすると、考えられる事は・・・ ボクが、大き過ぎて服としての機能を全く果していない とーかの服に目をやると、小さなとーかもつられて視線を落とした ・・・そして青ざめる。 服としての機能を果していないという事はまぁ要するに スッポンポンみたいなものだ。 「ひゃあ?!!な、なんですの?これは?!?」 今まで気付かなかったみたい。 青赤くなりながらボクから布団を引っ手繰って、埋もれた。 「あなた私に何かしたんですの?!」 「え?いやボクは、」 「信じられないですわ変態!!ロリコン!早く出て行って!!」 ろ、ロリ、?!この子は一体どこからそんな言葉を、?? ボクは断じてロリコンじゃない! ・・・でもちっちゃいとーかは・・・うん。愛くるしい・・・ いやいや普段も愛くるし過ぎる位可愛いから! とかそんな事考えてる場合じゃない “出て行け!”なんて一番言われたくない人から 一番言われたくない言葉を言われてしまった・・・ 図々しいだろうけどここは弁解させてほしい・・・。 「ち、違うよとーか!ボクは何も、ただ君を起こしに来たんだ。 君は17歳の少女のはずなんだ。昨日まではそうだった。 なのに、急に小さな女の子になってしまっていて! ・・・こんなこと言っても信じてもらえないだろうけど・・・」 「・・・・・・」 絶対、変な人に思われる・・・素直にここを出よう・・・。 「そう、ですの。分かりましたわ。」 「え、信じてくれるの??」正直ボクが信じられない。 「・・・あなたが嘘をつく様な人には見えないですわ。 先程は怒鳴ってしまってごめんなさい。 とりあえず、服を下さる?」少し紅潮しながらとーかが言った。 「う、うん。」 それからボクはとーかの部屋を引っ掻き回し ようやくとーかの小さい頃の服を探し出し、とーかに着せた。 「ありがとう、ございますわ。それよりお腹が空きましたわ。何か持って来て下さらない?」 ☆☆☆ 「と、食事を取りに行こうとしていたところなんだ。」 一が話し終える。 朝突然透華が縮んでいた。か。やはり・・・ 私は無意識にそっとポケットに触れた。 「そういう訳でご飯持って来るから、その間この子お願いしても良いかな?」 コクリと頷く。 「ともきーはもう済んだ?よかったら持ってくるけど。」 「いらない。」 「そっか。じゃあ、よろしく。」そして一は食堂の方へ駆けて行った。 さて・・・。私は小さな透華を見下ろした。 透華も一へ向けていた視線を戻して私と目が合う。 「中に・・・戻りましょう。」 私は透華をベッドに座らせて、向かいのソファーに座った。 あの透華の子供の頃にしては意外に大人しく、衣より扱い易かった。 いや、私にとってそれほど珍しい事ではない。 恐らく純も衣も、歩にとっても・・・。 私は持ち前のパソコンを開く。 「質問。名前は?」 「龍門渕透華。さっきお答えしましたわ。」 カタカタと記入する。 「年齢は?」 「六つと10ヶ月ですわ。」 「両親の名前は?」 「~~。~~~。」 その後も生年月日や家族構成など基本的な質問をし、 透華はどれもすんなりと答えてみせた。 「私の名前は?」 「分かりませんわ。あの方も名乗らずに行ってしまって困りましたわ。」 「私は沢村智紀。背の低い人は国広一。」 「ともきさんに、はじめさんですわね。宜しくお願いしますわ。」 要するに、戻った年月までの記憶に異変は無いけれど それ以降の記憶は覚えていない。と。 「身体に異常は?」 「有りませんわ。」 サンプルデータを渡す事が条件だったので、漏らさずそれも加えて入力する。 「もう質問はよろしいかしら?」 コクと頷く。 「はじめさんから私が突然小さくなった事は聞きましたわ。 何故こんな事になってしまったのかしら?」 何故か。―――それは、昨日の夕方に遡る―――。 「ご馳走様ですわ。」「ご馳走さま~♪」 「ごちそうさま。」「ごち」「(コクリ)」 夕食を皆で取った後、私は自らすすんでお茶を入れる係りに名を上げた。 私の申し出に、皆は目を丸くした。 私は一と同じく透華のメイドをしているが、 大概パソコンに観察した事を記録しているだけで メイドの仕事をした事は無いと言って良い。 だからそんな私の珍しい言動に透華は喜んで、止める歩を制し 私にお茶を入れさせてくれた。 調理場に立つと私はそれぞれのティーカップを出し、 紅茶を注ぐ。そしてポケットから小さな―――風邪薬と同じ大きさ程の 赤いカプセルを取り出した。 その中身を透華のティーカップに入れ、運び出す。 透華は何の疑いも無くそれを飲み干した。 良心が少し痛んだけれど、やむを得ない。人体に悪影響は無いはずだから――― そして今日になる訳だけど。どうやらカプセルの中身は縮ませる効能だった様だ。 おまけに即効性・・・。 私は中身が具体的にどうの様な作用を及ぼすのかについてまでは聞かされていない。 信用のおける人物から貰ったので心配はしていないが。 記載事項はこんなものだろうか。と私が思った時、扉のノック音が聞こえた。 一が朝食を持って来たのだろう。 と言ってももはや昼食と言った方がしっくりくる時間だけれど。 ドアを開け放つ。 「ふぅ。ありがとうともきー。」 廊下に両手にお盆を乗せた一が立っていた。和風料理・・・ 「とーか、どう?」 「異常なし。異変なし。」 「そっか。」 「私はこれで。」 「えっちょっと!」 そのまま私は足早にその場を去った。 ☆☆☆ これからどうすれば良いのか相談しようと思っていたのに ともきーはさっさと行ってしまった。 困ったなぁ・・・。 「はい、ご飯。」 「ありがとうございますわ。しかし遅いですわ。」 「う、ごめん。」「では頂きますわ。」「いただきます。」 はむもぐ。 「本当は食堂で食べるのが良いんだろうけど、 万が一人に見つかったら色々ややこしいだろうからここで。ごめんね。」 「それなら気になさらずに結構ですわ。 というかあなたは私と一緒に食べれるんですのね。」 「ボク達、さっきの沢村さんとあと3人。大体6人で一緒に食べてるよ。」 「そうなんですの?私はお爺様も両親も仕事で忙しく、 使用人との食事も禁止されていましたからいつも独りで取っていましたわ。」 「あ、でも一緒に食べられる様になったのは去年の 麻雀県大会で優勝してからで、それまでは別々だったよ。」 ボク達ととーかと・・・。 「麻雀?庶民の間で流行中の? 色々とまぁお父様が認めるなんて信じられませんわね。」 どこかで頭でも打ったのかしら。と、とーかは笑った。 可愛らしい笑顔にボクも自然と微笑んだ。 「それにしてもこの料理美味しいですわね。家にこんなシェフが来ましたのね。」 「いや、ボクが作ったんだ。急いで作ったけどお口に合ったのなら良かった。」 「あなたが作ったんですの?美味しい・・・いつもあなたが?」 「いやいや、とーかの家のご飯を食べてるよ。 手料理をとーかに食べてもらったのはこれが初め、ん?」 「どうなさいました?」 料理、とーか。 「・・・思い出した。中3の夏に君と初めて会った時、ボクの家に挨拶に行くと言って そのままご飯を家で食べたんだ。(結局お父さんは帰ってこなかったけど)」 食べるなり急にボルテージが上がったらしく何やら叫んでいた。 あの時はどうすればこの変な人をお引取り願えるかで頭がいっぱいで よく聞いてなかった・・・失敗した。 「中学3年とか今の私からしたら果てしないですわ・・・」 「・・・とーか。今幾つ?」 「六つと、」 「子供の頃のとーかって落ち着いてるね。 もっと私が世界で一番目立ってますのよ~!とか、はっちゃけるかと思った。」 「むぐっ。目立つ?目立ったって、何も変わりませんわよ!」 何か不機嫌になって次々にご飯を頬張る。 あれ?ボク何かいけない事した? 「あなた、見掛けによらず料理上手ですのね。」 ・・・ボクそんな変な見た目してるかな? 「幼い頃にお母さんが亡くなって、お父さんは駆けずり回っていたから、自然と・・・。」 「そう・・・ですの・・・。大変でしたわね。お悔やみ申し上げますわ。」 「ありがとう。」 「しかし、こんなに料理が上手な方が許婚でしたら良かったのに。」 「い、い、いいn??!ゲホッ、ゴホッ、ガハッ」 食べた物で見事にむせてしまう。 「大丈夫ですの??」とーかが可愛らしい手で背中を叩いてくれる。 許婚だって?!しまった!すっかり忘れていた。とーかはお嬢様だから そんな人の一人や二人・・・ッ!ガーン 「だ、だいじょうぶだいじょうぶ! 赤巻紙青巻紙黄巻紙、 長生麦生米生卵! 隣の客はよく柿食う客だ! ほら大丈夫!」 「まるで渋柿を噛んだ時みたいな顔してますけど。」 「ハハハハハ・・・」 何故今ままで許婚という存在を忘れていたか、 簡単だ。とーかからその様な話を全く聞かなかったからだ。 それで無意識に安心していたのだろう。 しかしよく考えてみるととーかが自分に そんな私情を打ち明けなければならない義理は全く無い訳で・・・ トホホ 「許婚かぁ、じゃあお見合いとかしたんだ。」 何を聞いているんだボクは、立ち直れなくなっても知らないぞ。 「えぇ散々。ハジヨシともしましたわ。」 ハ ギ ワ ラ さん !!! どうやらボクは命を懸けて闘わなければならない様だ。 出来ることなら貴方とは敵になりたくなかった・・・! そうだ、確かに萩原さん以上の完璧な男はいない! ぬおおお! 「何をそんな怖い顔なさってますの??ちゃんとお断りしましたわ。」 「へ?そうなんだ、良かった。アハハ」 「そもそも何であなたが私の許婚話に一喜一憂してるんですの?」 「いや、まぁ、ちょっと。アハハ」 限りなく見っとも無い顔をしてるんだろうな、ボク・・・ 「クスクス。面白い方ですわね。」あ、それボクの特権。 「何だかあなたと居ると楽しい気分になりますわ。」 「そう?ありがとう。」 「あなたが―――なら―――、」 「え?何か言った?」 「なんでもありませんわ。」またとーかはクスクスと笑った。 何なんだろう?でも良かった。小さいとーかもよく笑ってくれて――― 「グ!ッ!」 「とーか?!」急にとーかは胸を押さえて苦痛の声を上げた。 「とーか?!とーかどうしたの?!」 「ウッ、く、苦しい・・・熱いッ」「とーか!!」 凄い汗だ。早く誰か呼んで来ないと・・・! 「一!」 「ともきー!?」声を聞いて駆けつけたのか、ともきーが来てくれた。 「ともきー、とーかが!」 「!これは!」とーかは見る見る苦しそうに蹲っていった。 「一、服脱がせて。」「え?」 「いいから!」「うん。」言われるままボクはとーかの服を脱がせた。 「!ともきー!」とーかの体が徐々に大きくなっていた。 「コクッ」 それからとーかをベッドに寝かせ、布団を掛ける。 まだ汗が出ており、時たまふき取ってあげる。 「ウ・・・ッ」「とーか、しっかり!」「ウ・・・、フゥ」 痛みが少し引いたのか、とーかの呼吸は整ってきた。 「とーか・・・。ともきー、とーかは大丈夫だよね?」 「恐らく。」 「よかった。・・・このまま元に戻らなかったらどうしようかと思っていたんだ。 でも、そもそも何でとーかは小さくなっちゃったんだろう? ね?ともきー。・・・・・・ともきー?」 ☆☆☆ 私は、部屋を出たけれども直ぐ近くで中の様子を窺っていた。 やがて中から一の叫び声を耳にすると、私は中へ飛び込んで行った。 そこには床に蹲る透華がいた。私はすぐに状況を理解し 一に透華の服を脱がせ、予測通り透華は元へと戻り始めていた。 透華をベッドに寝付かせた後、一が何やら話し掛けてくるが 私にはそれどころじゃなかった。 即効性の上に効果時間が短すぎる・・・。このままでは何の意味も無い・・・ 意を決し、私はポケットに手を入れ、握る。 もう一つの、青いカプセルに――― ――― つ づ く
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762 :咲×和with優希(仮) ◆sMMbxw5Iik [sage]:2009/07/18(土) 23 46 32 ID BSxBU5J8 『のどちゃんは、私の嫁だかんな!!』 原村さんのことを想う度に引っ掛かる、優希ちゃんの言葉。 優希ちゃんには悪いことしちゃったかな……。 図書室で借りてきた本を読みつつ、いつもの木の下でぼんやりしていたら、 丁度原村さんがこちらに来るところだった。 「こんにちは、原村さん。」 「宮永さん、こんにちは。一緒に参りませんか?」 「そうだね。」 ……… …… … ――麻雀部にて、真相を教えてくれました。 「優希は、こちらに来て初めての親友だったんです。」 ご両親、特にお父さんの仕事柄、転勤や他の都道府県への出張も多く 長期出張の時には、引越しするしかないこともあるそうだ。 「去年の夏、私が進路に悩んでいた時、 励ましてくれた優希の言葉に精一杯答えたかったんです。」 ホッとしたような、ますます申し訳なくなるかのような 少し複雑な思いで満ちていくかのようだ。 「私も、本気なのか冗談なのか解りませんでした。 でも、恥ずかしながら、私はどちらでも良いと想ったんです。」 クスクスと笑う原村さん。 いつもより何だか嬉しそうで、活き活きとしていて、 「ヤキモチ妬いてくれていたんですね、嬉しいです。」 「ち……違うの。優希ちゃんから原村さんを取っちゃったから、 京ちゃんにちょっかいかけてるのかなって、 申し訳なくなっちゃって……」 「ふふ、ごめんなさい。」 お詫びですと言って、そっと私の頬に触れ、スッと目を閉じる原村さん。 私も、原村さんに倣う。瞳を閉じて、しっとりとした頬に触れる。 お互いの心臓と時計の他には、音のない空間。 ちょっぴり心地良くて、このまま壊れるのが惜しくも思えた。 コンコン……ガララ 「タコス買ってきたじぇ♪」 ……… …… … 「おぉ、ラブラブなところをお邪魔しちゃったか?」 「……ゆ、優希ちゃん。そんなことないよ?」 からかうような調子の言葉に、思わずちぐはぐしてしまう私。 「……優希、タイミング悪すぎです。」 でもそれ以上に、少し悲しそうな原村さんが、印象的でした。 「優希には、お仕置きです。……宮永さん、手伝って下さい。」 「ふぇ?……う、うん」 ……… …… … 「んふぁ…ぁあっ……!! の、のどちゃん……咲……ちゃ、ぁんっ……」 「……っ……ふぁ……ぁんっ……宮永さん、お上手、ですぅ……」 優希ちゃんと原村さんが、私の上で、おっぱいの先を擦り付けあい、熱に浮されるているかのように 飛沫を飛ばし、二人の世界に入ってしまっているかのような原村さん達。 独り取り残された気がした私は、舌では原村さんの大切なところを、 指では優希ちゃんと大事なところと原村さんの背中を刺激するのだった。 「咲ちゃんの、指ぃ……癖になりそぅ……だじぇ」 「宮永さん……素敵、です……」 「(已む無く覚えた小手返しが、役に立った?かな……)」 <閑話休題> 「それにしてものどちゃん、種明かしが速すぎだじょ? そんなに、私とのことが忘れられなかったのか?」 「……違うの、優希ちゃん。……私が、その……聴いたの。」 「気にすることはないじぇ。咲ちゃんも気になっていただろうしなー。」 「ところで優希、あれって、今でも有効なんでしょうか?」 「当然だじぇ、のどちゃんは私の嫁だかんな♪ 咲ちゃんと幸せになるにせよ、私との子どもも産んで貰うかんなー その代わり、いつでも来てくれて良いからな♪」 了 お待たせしてごめんなさい。以上です。 次のネタができましたらまた来ますねノシ
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19 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 11 13 10 ID 0oOxNs9G 「部長、ダイスキだじぇ…」 「マジ惚れとるけんの…」 「上埜さん…ずっとあなたのことを想っていたの…」 「あらあら、すり寄ってきちゃって。ふふ、みんな猫みたいでかわいいわ」 部長は女の子をはべらせても違和感がない。 ---- 26 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 16 46 14 ID NcQmu2TH 「二番目でも三番目でもいいですから見捨てないで下さい…」って泣き付く池田が垣間見えて切なくなった 33 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 19 25 50 ID rdzvDLPl 26 「駄目よ、困らせないで、華菜。華菜もあの人も、大切な人なの……順番なんて、つけられないわ」 「じゃ、じゃあ、今夜は! 今夜は、あたしのそばにいてくださいっ…!」 「……、ごめんなさいっ…!!」ダッ 「あ、あ……きゃぷてぇんっ……」 36 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 19 52 22 ID 0oOxNs9G 33 「カナちゃん…」 「グスッ、みはるん…」 「カナちゃん、一緒においしいものでも食べにいこう?」 「え…でも」 「ね!きょう一日中、二人でいようよ!」 「にゅあああ!みはるーん!」 「あはは。よしよし」 (カナちゃんかわいい…。捨て猫みたい はっ!なに考えてるの不謹慎な!) 40 名前:反省はしていないw ◆AjotIQkrmw [sage] 投稿日:2009/06/09(火) 21 05 54 ID ylaAu4YJ 36 (カナちゃん可愛いなぁ…そうだ!) 「ほーらカナちゃん、キャプテンの隠し撮り生写真だよー」 「にゃうぅっ!?」 「ほら、こっちだよー」 「にゃっ!」シュッ 「ほらほら、こっちだよー。ひらひら~」 「にゃあっ!!」シュッシュッ 「吉留ェェェェェッッッ!!!!!!ここはペット禁止だっ!捨てて来い!!!!!!!!!」 43 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 21 22 03 ID sSYEE8zG 40 カナ「うるうる…」 コーチ「うっ…なっなんだその目は!!ダメなものはダメだ!!」 カナ みはるん「うるうる……」 どうする?アイf(ry 48 名前:全く反省などしていないw ◆AjotIQkrmw [sage] 投稿日:2009/06/09(火) 21 39 14 ID ylaAu4YJ 43 かんけいないね ゆずってくれ、たのむ! ころしてでもうばいとる(下着を) ピッ 「な、なにをする!…やぁぁんっ!」 「コーチ、意外と可愛い下着なんですね」 「ペロペロ…」 「や、やだ…やめて……あぁっ…」 「ほら、我慢しなくていいんですよ…てか、イっちゃえw」 ---- 52 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 23 29 36 ID CcVKWBXU 久保「池田さん? あのチーピンはなんなの?」 「相手がおバカさんだからよかったけどあんなおかしな打ち方では全国に通用しないわよ?(ニコニコ)」 「キャプテンっ、コーチが変です!」 「あらあら、昨夜はちょっと激しすぎたかしら」 ---- 76 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 19 03 31 ID i8Iy/Y4+ iPS細胞+のどっちの頭脳+とーかの財力+実験とかしてもマスゴミや反対派に騒がれないモモステルス+パートナーの愛 =女子同士の子供、または咲第二世代 というネタを思いついたが、たぶん何処かで既出 風越だけ関係ないみたいなことになってるのは池田のせいだってコーチが… ---- 77 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 19 33 46 ID 0Y7bH1QT 咲が攻略可能なキャラ ・部長ルート→エンディング直前に和が出てきて妨害 ・優希ルート→中盤で和が出てきて無理やり和ルートへ ・まこルート→序盤で和が出てきてまこ×咲を全否定 ・和ルート→エンディングまでいけるのはこのルートのみ ---- 105 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/11(木) 06 43 33 ID KbGt9ysj タコスってそれぞれ部員や自分のことなんて呼んでる? 自分…私 久…部長 まこ…染谷先輩 和…のどちゃん 咲…咲ちゃん 京…犬 キャプテン…お姉さん これでおけ? 106 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/11(木) 07 21 19 ID XD99jl1O 京太郎は呼び捨てもある まぁ男なんて居ない 107 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/11(木) 08 07 05 ID KbGt9ysj 106 そうだったね。SSは野郎抜きでやろう 108 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/11(木) 08 12 46 ID eGAKLHOs 流石にそれは・・・恋愛方面に絡まれたら嫌だが無かったことにするのも違うだろ パシリに使うシーンとかあるかもしれないし ---- 211 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/13(土) 23 43 53 ID vyoMGhKa まこが風邪をひいたら部長がお見舞いにいく。 そして励ました後、まこの負担にならないように早めに帰る。 のどっちが風邪をひいたら咲がお見舞いに行く。 そして、次の日に咲が風邪をひいてのどっちがお見舞いに行く。 かじゅが風邪をひくとモモが学校休んで家庭訪問。 朝から晩まで二人きり。 かじゅは汗をいっぱいかいて熱を下げて翌日登校。 蒲原によるガサ入れ。 ---- 309 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 03 13 28 ID pDeIygg0 今見終わったぜ。文堂さんカワイソス しかしキャプテンはどんだけ上埜さん好きなんだよ 麻雀力はガチ百合度に比例するという説に真実味が出てきたな 一回戦 タコス < 井上 << キャプテン 二回戦 唯一の恋人持ち かおりん一人勝ち 三回戦 文堂 <<< カマボコ < 一 ≦ 部長 ---- 313 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 04 44 38 ID pDeIygg0 四回戦 深堀さん以外はおおむね互角 しかし旦那との進展度が勝負を分ける しかしこの仮説に基づくと咲と衣の百合力は、かじゅを上回る…だと… さらに照の妹ラブはそれすら上回る!のどっち危うし!な全国大会編 ---- 458 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/21(日) 00 55 04 ID 3Wu9ie4O 456 バカヤロォオ! タコスはのどちゃんのオッパイの味がするんだ! タコスを捨てるという事はのどちゃんのオッp…のどちゃんを構成する大事な部分を無くしてしまう事になるぞ! ---- 459 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/21(日) 01 10 41 ID 1Lgsi0ng モモちんのハイパーステルスがあれば 授業中に抜け出してかじゅ先輩が真面目に授業を受けている隣で かじゅ先輩の机のかどでオナ(ryるのも不可能ではないはずだ! んで誰にもバレてないと思ったけどかじゅ先輩にだけはしっかりバレてて 放課後部室にてかじゅ先輩に熱烈な教育的指導を受けちゃうんだ! ---- 460 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/21(日) 01 11 49 ID 6IFkJsN4 部長「頭だけじゃなくこっちの方も弱いのね」 「ビクンビクン」 ---- 541 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中 投稿日:2009/06/22(月) 08 29 06 OKmDsarF 録画したの見直したが部長は女落とすの上手すぎる そしてキャプテンも話しかけなきゃダメだろ 「あ、あの!」 「ん?」 「先ほどはすみませんでした」 「あぁ、気にしてないわよ?」 「そ、そうですか…」 「あ、気にしてないけど気になることはあるかも」 「なんでしょう?」 「貴女…前に会ったことある?」 「……はい」 「その目……思い出した!」 「私、貴女に訊きたいことがあったんです」 「……ごめんなさい。覚えてないわ」 「そうですか……」 「本当にごめんなさい。ただこれだけは覚えてるの」 「…?」 「あなたの目……とても綺麗だった」 「なっ……!?」 「貴女にもう一度会えてよかったわ」 「な、何言ってるんですか!」 「私が大会に出なかった理由とか知りたくない?」 「そ、それは知りたいですけど」 「…ちょっと長くなるから場所変えましょうか」 「でも副将戦が…」 「こっちよ」 「ま、待って!どこ行くんですか!?」 「え?……仮眠室だけど」 部長ならいろんな意味でやってくれるはず ---- 636 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中 投稿日:2009/06/24(水) 00 43 27 3OXEYtdG 634 既に存在している 宮永さんが好きなの。 宮永さんの瞳が好き。春の銀河のように煌く瞳が。春の陽射しのようなやさしい眼差しが好き。 宮永さんの髪が好き。そよ風に閃くシルクのようなさらさらの髪が好き。 宮永さんの唇が好き。蜜のような口付けをくれるせつない吐息を聴かせてくれる唇が好き。 宮永さんの声が好き。高くて甘い心に染み込む済みきった声が好き。 宮永さんの身体が好き。抱きしめると折れてしまいそうな華奢な腰が。薄くてでも形のよい胸が。 重ねた肌から伝わってくる温もりが好き。 でも一番好きなのは宮永さんの心。脆くて傷つきやすいでもどこまでも純粋で美しい。 決して誰も責めたりはしない。全てを許す優しさに満ちた魂が。 好きよ。大好き。宮永さんの全てが愛おしくてたまらないの。宮永さん。 宮永さん以外のものなんかもう何もいらない。ただ宮永さんだけが欲しいの。 宮永さんと私二人だけの永遠の夜が。 ---- 654 名前:名無しさん@秘密の花園 投稿日:2009/06/24(水) 20 13 02 bohDvs+R 「だ、だめだよ…私たち幼馴染だし…」 「ワハハ!良いではないか!良いではないか!」 誰かこんな感じのSS頼む ---- 664 名前:名無しさん@秘密の花園 投稿日:2009/06/24(水) 21 53 47 6BjtlbMx のどっち「iPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」 とーか「いいことを聞きましたわ」 モモ「いいことを聞いたっす」 深堀(もうやだこの卓…) ---- 671 名前:名無しさん@秘密の花園 投稿日:2009/06/24(水) 22 59 09 z5FV/vEG 唐突にマイナーカプを挙げてみる 透華×のどっち >対局中にのどっちでエロ妄想をしていた透華様 >「ねぶるように味わわせていただきますわ!」全然できなかったけど 井上さん×タコス >タコス苛めに定評のある井上さん。 >「お前なんか嫌いだじぇ」「悪かったって。そうツンツンすんなよ」みたいな さらなる妄想シーンを期待してたのにモモに見せ場を取られた透華様マジヘタレ 3巻冒頭で涙目のカラータコスを見せてくれた井上さんマジで神 ---- 744 名前:名無しさん@秘密の花園 投稿日:2009/06/26(金) 12 11 43 Zw9x9W8K 634 ヤんでると言われて某巫女を連想したので 遅レスですまんが、 「某巫女」で、咲がアイドルデビュー→枕営業させられる→絶望して世界を滅ぼす側に… なんてコンボが脳内を駆け巡ったんだが 760 名前:名無しさん@秘密の花園 投稿日:2009/06/27(土) 03 58 09 jn57FA2u 744あたりを見て、出張中なのに こう…黒く染まって勝つために何でもやり放題な咲と和が対峙して、 「勝つって楽しいよね、原村さん」 「あなたに目指して欲しいのは…そんな勝ち方じゃないです」 なシーンを妄想したのは俺だけじゃないはずだ ---- 993 :名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 15 34 12 ID zdbgFcvB さき「衣ちゃん、一緒に打とう! 一緒に麻雀を打とう!」 ころも「う……うん(*∵*)」 hrmr(ガーン! 私の時と同じ殺し文句!?)
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177 名前:へたれ[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 13 34 52 ID H+AQNXcU 「じゃあね、咲。全国大会がんばってね」 「うん。ありがとう。また、明日ね」 新校舎の出口で、掃除当番が一緒だったクラスメイト と手を振って別れ、旧校舎の古ぼけた階段を駆け足で上 って行く。県大会からひと月ほどすぎた初夏。強くなり だした日差しもこの時間ではやわらぎはじめていた。 部の扉の前で少し息を整える。全国大会まであと一月 しかない。もう、みんな先に打ち始めてる頃だろう。 軽く扉を開くと、うっすらと汗ばんでいた頬を風が撫 でて行った。いつもなら聞こえてくる、牌を切る音が聞 こえない。不思議に思いながら室内に入れば、雀卓で眠 り込んでいる原村さんの姿が目に入った。 (原村さん…) 柔らかそうな髪がふわりと風に舞っている。 (いけない…) ドアを音が出ないように静かに閉める。 (みんなは?) その場から周りを見回しても誰もいない。室内は静ま りかえっていた。 カバンを近くの椅子に置き、原村さんの所に行く。 麻雀部に入るまでは、彼女は学園の人気者だというこ とを私は知らなかった。 綺麗な外見から冷たい印章を受ける人もいるみたいで、 時折彼女の悪口も聞くけど。本当はとても優しい、でも、 芯の通った、とても強い人。そして、ペンギンのぬいぐ るみを抱いて寝てしまう少女らしさのある、かわいい人。 県大会で優勝してからは、ますます彼女の周りは賑や かになって。雑誌や新聞のインタビュー、市長への表敬 訪問にも、部長とともに行かされたと聞いている。 (疲れてるんだね) 胸元にいるエトペンを見て思わず笑みがもれる。 ふと、数本の髪が頬にかかっているのに気がついた。 きっと、わたしが部屋に入ってきたとき乱れてしまった のだろう。 自然と手がのびる。 指が髪に触れそうになったとき、きめの細かい白い肌 に目を奪われた。柔らかな髪に、長いまつ毛に、息を奪 われた。 今まで見てきた、彼女の表情が幾重にも心に浮かんで は消えていった。最初に会ったときの泣き顔。卓を囲ん でいるときの真剣な表情。何気ない会話の中で見せてく れる笑い顔。そして、県大会を優勝したときの、頬をピ ンクに染めて見せてくれた笑顔。 思わず手が止まる。 彼女の髪に触れる前に、その直前に。 (えっ…?) ただ彼女の髪を直そうとしただけなのに。 (それなのに…) 急に胸がドキドキしてきて、頬に熱が集まってきた。 (なんで…?) 指先が震え出していた。 (どうして…?) 自分の変化にとまどい。力の入らなくなった手を胸に 抱く。目を閉じると心臓の鼓動がより一層強く感じられ た。 どのくらいそうしていただろうか。やがて鼓動も収ま りだし、指先の震えも治まってきた。 目を開けて原村さんを見ると、あいかわらず、穏やか な寝顔の彼女がそこにいた。 ふと視線を感じた気がして目線を下にやれば。原村さん に抱かれているエトペンに睨まれている。 柱時計の秒針が時を刻む。 数秒後…。 軽く溜息をつき。 (ごめんね…エトペン) やるせない思いとともに、エトペンの頭をなぜて許し を乞う私がいた。 おわり
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266 小ネタ(?)咲→透華もどき [sage] 2010/02/07(日) 16 41 18 ID aA3S2hgA Be ※キャラ崩壊、gdgd、萌えない、オリジナル注意 『全国団体予選第一回戦!もう既に数々の名勝負が生まれたこのD卓で、 間もなく大将戦が始まろうとしています!只今1位永水女子高校2位清澄高校! さて清澄高校反撃なるかァ~?!試合開始ィ!』 『他の2校も紹介してあげて...。』 (...始まった。いよいよ全国。私、来たよ...お姉ちゃんのいる東京に...!) ~~~~~ 『おおっといきなり永水女子の猛攻撃!他3校は手も足も出ない! これは永水女子優勝か?!おめでとう!!』 『まだ試合終わってないってば...!』 (...流石全国。最初からこんなに強い人と打てるなんて...! 思うように手が進まない...。点差が開いていく一方...でも、あの時。 ......合宿でのあの人と比べたら...!) 「カンッ!!」 ~~~~~ 『きィィまったァア!全国団体予選第一回戦!D卓を制したのは初参加の清澄高校だァー!! 宮永選手が見事な嶺上開花で勝利の花を開花させましたァ!!』 アナウンサーと観客の歓声の中、咲は一人、仲間たちの待つ控え室に戻っていく。 (合宿での事がなかったら...負けてたかもしれない、あの人には感謝しないといけないな...。) 瞳を閉じて進んでいると、向こうから和がやって来た。 「宮永さん...!」 「原村さん?どうしたの?」 「ど、どうしたのって心配になったからに決まっているじゃないですか!」 「え?!わ、私...何か変な打ち方したかな...??」 咲はさっきの対局を回想してみる。可笑しなところは特に無かったような...? 「いえ。対局は素晴らしかったですし楽しそうにしている宮永さんがとても(素敵でした...。」 「え?何?」 「い、いえ!そんな事より宮永さん今どこに行くつもりだったんですか?」 「どこって、控え室だけど...?」 左の通路を指差して不思議そうに答える。 「...そっちは観客室の方ですよ...。」 「え?!あ...そ、そうだったっけ?」 エヘヘと頭を掻く咲を和はやっぱり...と見つめる。 「だから心配になって来たんですよ。」 「うん。そうだね、ありがとう!」 「...!///」 笑顔で首を傾かせる咲に思わず和は頬が赤くなった。 そんな時、こちらに駆けて来る足音と元気な声が響き渡った。 「咲ぃ~~~~~~!!!」 「あ...衣さん。」 (こ、衣ちゃん?!) 「いらしてたんですか?」 「うん!咲の麻雀を見に来た!」 (え、こ、衣ちゃんがいるということは、もしかし...?) 「相変わらず凄い闘牌でしたわ。」 「あの状態から逆転出来るなんて本当凄いよね。」 続いて透華と一もやって来た。 (あ...あ...やっぱり!) 「試合!み、見ていてくれたんですか?!!」 「ふぇ?!ぇ、ぇぇまぁ。」 急に迫ってきた咲に透華がたじろぐ。 「この私達を倒した相手が敗退しないように応援するのは当然の事ですわ...!」 本当は原村を見に来たくせに...と一が苦笑いする。 (そんな、わざわざ応援に来てくれただなんて...。) 「あ、あの...!私!頑張ります!!」 更に押し迫ってくる咲に透華はもう一歩後退る。 「えぇ...が、頑張って下さいまし...???」 (み、宮永...さん?) 「咲!大会が終わったらまた遊ぶぞ!」 「うん!...その時は、お邪魔してもいいですか?」 「勿論歓迎いたしますわ。原村和!私以外の方に負けたら承知いたしませんわよ!」 「は、はぁ。」 「とーか駄目だよ人を指差しちゃ。」 そんなこんなで帰って行った龍門渕一行。 (大会が終わったら...衣ちゃんや龍門さん...お姉ちゃんと打ちたいなぁ。) (宮永さん...。) 「原村さん!」 「はい?!!」 和の両手をギュッと握り締める。 「これからも、頑張ろうね!」 「え、あ、///...はい!!!」
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357 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/18(木) 03 52 34 ID w+YOD8BQ 書いた。 「とーか、そろそろ準備しとかなきゃ」 「……え、ああ!! わ、わかりましたわ……」 一が声をかけると、どこか上の空だった透華はびくりと大げさにリアクションした。 一は鎖を渡して背中を向ける。 受け取った透華は、手の中の鎖と、一の華奢な背中に交互に視線を送っていた。 「この鎖がなくなったら、透華が少し遠くなっちゃうような気がするんだ……」 龍門淵透華の頭の中で、一の言葉が延々と渦を巻いていた。 ……この鎖に、一があんな想いを込めていたなんて。 あの長い長い一日から二週間が経ち、大事な全国大会の初戦を迎えていたが、 一の言葉と笑顔の余韻は一向に治まらなかった。 むしろ、頭の中で反芻しているうちに増幅し、より強烈な力で透華を縛り付けていった。 あの言葉を頭の中で何度も何度もこねくり回してみた。 どう解釈しても、自分をもっと近くに感じていたい、という告白にしか思えなかった。 ああ! こんなことなら、気恥ずかしいからといって話をそらさなければよかった。 日に日に透華の頭の中で一の存在が大きくなる。一の視線、一挙手一投足を気にしてしまう。 それまで一は透華が着替えていても平然としていたし、風呂では背中を流すのを自ら買って出ていた。 透華もそれが当たり前のことだと思っていた。しかし、あの告白以来、何かが変わってしまった。 一は透華が着替えはじめるとそそくさと視線をそらすようになり、 裸の付き合いでも態度がよそよそしくなってしまった。 平常時でも一に見られるとどうにかなってしまいそうだった透華にとって、 それはほっとすることでもあり、また同時に、どこかもの寂しくもあった。 しかし……。 一が、たまに誘惑に負けてチラチラと自分を見ているような気がするのは、ただの思い上がりなんだろうか。 肌に触れるのを躊躇するようになったのは、自分を意識してくれているからではないだろうか。 ああ……。 「――おーい!! 透華ぁ、国広ぉ、もう十分前だぞ、早くしろよ」 純の声ではっと我に返る。そうだ、今は一にいつもの鎖を付けるところで―― 「と、透華? まだぁ?」 見れば一は、頬を染め、心細げに身体をもじもじさせていた。 時折こちらを振り向き、上目遣いの視線をちらちら投げかけてくる。 透華の心臓がとくんと鳴る。 まるで……そう、今の一は、恋人からの愛撫を待ち焦がれているかのようだった。 桃色に染まったうなじから、スイカズラのような甘い匂いが立ち上り、透華の鼻をくすぐる。 透華の心臓がまた一段高く鳴った。この匂いは……。 そうだ、自分が一にプレゼントした香水の匂いだ。 いつだったか、買い物に長々と付き合わせてしまったときに、 半ば押しつけつようにして買い与えたものだ。確かに覚えている。 一は「ボクにはまだ早いよ……」としきりに遠慮していた。 そして自分は――いつか必要になる時がくるから、持っておけ、と押し切ったのだ。 「はじめに好きな人が出来た時にでも使いなさい」自分は確かにそう言った。 好きな人が出来た時に。 透華の胸がきゅんと締めつけられる。 「……オイオイ、お前ら何ちんたらやってるんだよ。東京の中堅やばそうだぜ? お前ら二人で――くはッ!?」 「無粋……」智紀の抜き手が井上のわき腹を穿っていた。 「は、はじめ!!」矢も楯もたまらず、透華は一を後ろから抱きしめていた。 「わ、わぁー!? とーか?!」何かしらのアクションか言葉を期待していた一も思わずどぎまぎする。 透華は大きく息を吸った。一にここまで言わせたり準備させたりして、 自分だけ日和っていたら卑怯者だ。前に回した手に力を込める。 「はじめをわたくしだけのものにしたいですわ~!! これからも、わたくしの専属でいてほしいですわ~!!」一思いに、想いをぶちまけた。 一瞬、しんと静まりかえる選手控え室。 「……。あ、ありがとう透華、すっごい嬉しいよ……」やがておずおずと一が言う。 「ボク、勇気を振り絞って……ってあれ? とーか?」 振り返って透華を見ようとするが、 「ダメですの~!! とても今の顔は見せられませんわ~!!」 透華は顔を一の背中に埋めたままくるくる回っていた。 「ちょっとちょっと、ボクはちゃ~んととーか見つめていったのに、 それは不公平だよ……」何とか顔を見てやろうと体をくねらせる。 「駄目~!! 絶対に駄目ですわ~!!」必死にしがみつく透華。 「ン、ゴホン!!」純のわざとらしい咳払い。 「あ……」「あ……」ふと我に返るふたり。智紀たちの視線を感じ、ぱっと身体を離す。 「う~、もう時間ぎりぎりだよ。じゃあ、行ってくるね、透華」小走りに駆け出す。 「……行ってらっしゃいまし」透華も笑顔で送り出す。 「頑張って、はじめ……」うれしそうな智紀。 ドアをくぐり抜けようろする一を純が呼び止める。 「お~い、国広くんよぉ、恋人が出来てうれしーハッピーな気分なのはわかるけどさ、 試合のほうは大丈夫なんだろうな?」からかうように言う。 「――任せてよ」一が振り返り、破顔一笑。 「ボク、今なら衣にだって負ける気がしないよ!!」 おわり。
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781 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中 投稿日:2009/05/04(月) 10 00 35 Id2gwUVx 中世の城を思わせるような古びた煉瓦で囲まれた部屋の中―――。 蝋燭が揺らめき、ぼんやりと鈍い明度を放っていた。 古めかしい格子の窓から見える冷たい夜空に時折、遠雷の稲妻が走る。 揺れる炎に浮かび上がるのは、豊かな金の髪を湛えた痩身の女、 相対して向かい合うのは、それより二回りは小さな体躯の少女。 短めにまとめられた、深く蒼い髪が緊張に揺れる。 「――それで、結局何が言いたいんですの?」 苛ついた様相を隠すことなく、端整な顔立ちを僅かに歪めて問いが 放たれた。問われた方はひと呼吸の間をおいて、意を決したように 口を開く。その表情は思い詰めた何かに染まり、強張っていた。 「……透華が衣を大事に思ってるのは、ボクだって痛いほど 知ってる。こんなことを言うのは気が引けるけど、 もう心に嘘はつけない」 透華、と呼ばれた者の眉が微かにつり上がる。 「なんでそこで衣の名が出てくるのか理解し兼ねるわ……」 「い、いや、だって……いつも透華は口を開けば衣のことしか……」 「はじめがそこまで聞き分けが出来てないとは思いませんでしたわ。 あの子はわたくしの従姉妹。何よりも不幸な事故で身寄りがない ことだって分かっているでしょう!? 気にかけなくてどーするんですの!」 語気が上がり、アンティーク調のテーブルの天板を強く打ち据える。 その音に首を竦めると同時に、蝋燭の炎も頼りなげに揺らめく。 今まではここで引いてきて、思いを飲み込んできていたはじめ。 しかし今日は違っていた。腹に力を込め、負けじと己の思いを吐露する。 「分かってる! それも分かってるよ!…だけど…ボクは透華のお付きの メイドなんだ! 単なるわがままだって思ってくれてもいい! ほんの ちょっと、ちょっとだけでいいから……透華がボクのことだけを見てくれる 時間が欲しい……それだけ…なんだよ」 やっとの思いで告げられた言葉に、面食らったのは透華自身だった。 「な……、はじめ…あなたまさか……」 「……ごめん、呆れたよね…メイドの分際で主人に恋愛感情を持つ なんて、失格もいいところだ。…だけど、関係が壊れたって、 どうしても……伝えたくて……」 後半はもう涙声が混じり、俯いたはじめの目からは大粒の涙が溢れて、 乾いた煉瓦の床に悲しみの跡をいくつも刻んでいた。 「…言いたいこと、言えた、から…スッキリしたよ……これでもう、 透華とボクの主従関係は終焉しちゃったけど………」 「ふざけないでくださる!?」 透華の声がはじめの声を遮る。 部屋中に響くような怒号にも似た叫びに、泣き濡れた目を上げて 透華を見やるはじめ。その視線の先には、先ほどより怒りの色を 滲ませた主人の顔があった。 怒号が反響し終え、煉瓦に飲み込まれ切った頃、遠方の雷鳴が 静かに空気を震わせる。 「か、勝手に思いを告げて、勝手に自己完結して、勝手に 消えようだなんて、専属メイド失格にも程がありますわっ!」 頭頂部の癖毛がぴん、と立ち上がり、透華の感情を声高に表す。 不機嫌絶頂の合図だ。はじめにはそれが分かっている。 「うん……そうだね。こんなダメなメイドなんて要らないって話だよね」 「だからそこですのっ!」 「……え?」 「だ、誰が要らないなんて言いましたのっ!?」 透華のその言葉が耳に届いても、いまいち伝わっていないはじめは 絵に描いたようにきょとんとしている。 その様子が、透華のさらなる不機嫌に上乗せされていくのだ。 「わ…っ、わたくしは、その…ぅ、」 言い淀む透華に近づいて、じっと顔を覗き込むと、見る見る間に 透華の白い頬に赤みが差していくのがはじめにも見て取れた。 「は――――はじめが必要なんですのっ! 主従関係とか、 そんなのを差し置いても……!」 静寂が、訪れる。 時間が止まってしまったかのように、空間自体が凝り固まる。 「え、ええええぇぇぇ~っ!」 口火を切ったのははじめ。目を丸くして透華の顔を食い入るように 見つめるが、赤く染まった頬をごまかすように視線を逸らす。 「むしろ、わたくしの方が先なんですのよっ! あなたと初めて逢った 時、か…ら」 2回目の驚嘆の声がはじめから発せられた。 ヂヂヂ……と芯が焦げる音。 速く刻まれる、二人の心臓の鼓動すら耳に届く。 「その拘束具も、イカサマ防止以外の気持ちが入ってるなんて、 そんな様子じゃ気づいてないようですわね……」 ヂャラ…と腕から伸びる鎖に目を落とすと、その意味合いに気づいて はじめの頬も染まる。 「確かに…腕の自由を少し止めるなら、手錠型じゃなくても… …いいんだよね」 「はじめは鈍すぎなんですのっ! まったく、わたくしにここまでしゃべらせ ないと分からないなんて、鈍くさいにも程がありますわ!」 「…透華、ごめんね。」 上目遣いで見上げられるはじめの純朴な瞳に、透華の鼓動は 更に高まった。 「……ね? 抱きしめてもいい、かな?」 「な、なな、なにを言って…………!」 慌てる否定は、透華の照れ隠し。そのことは周知の事実。 構わずにゆっくりと身を寄せる。 「…あ。手錠したままだとハグ出来ないや……」 腕を伸ばせぬようにと拘束されることが仇となり、思いを遂げられない 事実が、はじめの顔を曇らせた。 「し、仕方ないですわねっ 特別、特別ですわよっ!」 覆い被さるように透華の腕がはじめの小さな体を捕らえる。 「…透華、あったかい」 「いちいち口に出さないのっ!」 ふわりと包み込まれた幸せの空間を享受する。 「透華、透華」 口元に手を当てて、耳打ちを促すように透華を呼ぶはじめに気づき、 懐のはじめに届くように首をもたげると…… 不意打ち上等、一気に背伸びをして唇を奪った。 「へっへ~ん、頂いちゃった☆」 「~~~~~~~~~~~~~~っ!!!」 熟れきったトマトの如く、限界まで顔を赤くし、蒸気が噴出する かのような混乱に襲われる。 「好きだよ、透華」 届いているかは分からないが、改めて想いを口にする。 厚い雲が流れ、澄み渡った夜空が広がる。 星の煌めきはいつまでも静かにたゆたって、壮大な天空を彩っていた。 ー終ー
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875 名無しさん@秘密の花園 [sage] 2009/09/30(水) 20 59 31 ID uowzvelT Be 酒と泪と女と女1 バシィ! コ「なんださっきの試合は!キャプテンのお前か生ぬるいから下があんな打ち方するんだ!!」 キ「…」 コ「池田ァァッ!!あんな腑抜けた打ち方が全国で通用するわけねーだろ!! おまえ去年もそれでシクったよなァ?風越の伝統に泥ォ塗ったのわすれたのかよ」 キ「やめてくださいっ。彼女のミスは私の責任です。殴るのは私だけにしてください」 コ「チッ、帰ったら、みっちりミーティングだからな!」 コ「ぐす、マスター。あいつらはよくやっている。本当なら抱き締めてやりたいのに、ぐす。 この仕事向いてないのかな…、ぐす」 マ「大丈夫ですよ、いつかわかってくれます」 コ「ぐすっ…」 酒と泪と女と女2 池「キャプテン、また私の代わりに殴られて…」 キ「大丈夫よ、華菜。気にしないで」 池「でもキャプテンは何も悪くないし。悪いのは私だし。 私が殴られるのはいいけどキャプテンを殴るなんて。いくらコーチでも許せないし…」 キ「華菜、コーチはね、私たちのために心を鬼にしてるの。 私ね、見てしまったの。コーチが一人で泣いてるところ…」 池「で、でも…」 キ「それにね。去年の県予選のあと華菜にお花が届いたでしょう。」 池「たしかに差出人のない花が届きましたけど…まさか」 キ「あれはねコーチが送ってたのよ。あの花はアマドコロっていってね。 花言葉は『元気を出して』」 池「コ、コォーチィィーーーーー!!!」 コ「……」 マ「また教え子を殴ってしまったんですか?」 コ「マスター。人は嬉しくても泣けるものなんだな、ぐすっ…」 姉妹1 和「いったいお姉さんと何があったんですか?」 咲「昔ね、お姉ちゃんのプリン食べちゃったんだ。 それからお姉ちゃん口きいてくれなくなって」 和「あの、そこは笑うとこでしょうか?」 咲「お姉ちゃん、プリンに醤油かけて食べるのが好きで。ウニの味がするって…」 和「全国区の魔物は味覚も全国区ですね」 咲「お姉ちゃんのお気に入りのプリンがウニの味そっくりらしくて。 仲直りにそのプリン送ろうとしたんだけど生産中止になってて…」 和「ウニ送った方が早いのでは」 全国の魔物たち 透「全国には聞かなければよかったと思える相手が存在しますわよ。その代表が… ロシアからの留学生タチヤーナ・ステパーニウナ・ザンギエフですわ」 和「いろいろと台無しですね」 1年A組乱入事件 加「教室を特定して乗り込んだのに目的の人物がみつからない。そこにいるはずなのに! 思わずムラムラして叫んでしまったな」 加『私は君が欲しい!!めちゃくちゃにしたい。朝まで ─自粛─ したいんだ!! 君と足腰立たなくなるまで ─自粛─ したい!!!』 津「どうしてそこで欲情するんですか…」 蒲「でも、どーゆーわけか、あのお姫様はそれが気に入ったらしくてなー」 妹「なんでっ!!!」 姉妹2 ─すれ違いの純情─ それは咲が照に会いに東京へ行った時のこと 咲「お姉ちゃん。プリン食べちゃってごめんなさい…ひっく、ひっく」 照「…」 (くす、怒ったふりしただけで、こんなに大泣きして。本当に咲はかわいいな。 大丈夫、そんなこと怒ってないから、咲。さぁ、私の胸に飛び込んでおいで。) 咲「お姉ちゃん…」 照「…」 (泣きながら許しを請う妹と、それを優しく許す姉。あぁ、なんて美しい光景だ! そこから禁断の愛が生まれるんだな!さぁ、咲、早く。早く私の胸にっ!!) 咲「お姉ちゃん、私のこと…本当にキライになっちゃったんだね…えっぐ、 ごめんなさい。もう来ないから…」 タタタ… 照「え…咲?え、え…ちょ…えっ!ま、まって咲、お姉ちゃんは怒ってなんか…え?」 咲を失った悲しみを忘れようと麻雀に没頭した私は、気が付けば魔物と呼ばれていた。 三角関係 衣「ハラムラノノカ~」 和「きゃっ、もういきなり抱き付いたら危ないですよ」 衣「ノノカの胸はおっきくて気持ちいいのだ~」 咲「ちょっ…、こ、衣ちゃん、ななななにしてるのっ!!」 衣「ころもじゃない、子供だからいいのだ」 咲(くっ、こんな時だけ子供になるなんて) 衣(にやり) 魔物同士の戦いは続く 勧誘 システム:Default Playerが入室しました カマボコ:よかったら、麻雀部に入部してみない? Default Player:あまり興味がないので かじゅ:今日の下着は何色? システム:Default Playerが退室しました 姉妹3 ─復活の照─ 薫「清澄って知ってるか?…おまえ、妹いたんじゃなかったっけ?」 照「…いや、いない」 (咲、まさか全国に出てまで私に会いにくるなんて。そんなに私を愛していたんだな。 もう、これは姉妹なんて小さい枠に収まる関係ではない。そう、私に妹なんていない。 咲は前世から約束された運命の人だ、妹なんてちっぽけなものではない。 あぁ、咲、愛してるよ。また一緒にプリンを食べよう、醤油かけて) 姉の妄想は半分合ってるだけに性が悪かった。 ぞくぅっ!! 咲「どうしたの原村さん?」 和「いま、ものすごい悪寒が…」 原村和 人生最大の敵の復活をまだ知らない 家族1 一「ボクとともきーが衣のお姉さん。透華がお母さんで純がお父さん。…あっ、やっぱダメ!」 透「どうしましたの?」 一(だって透華と結婚するのはボクだから…) 「やっぱりボクがお父さんで透華がお母さん。純がお兄さんでともきーがお姉さん。」 と「…それは駄目。純がお父さんで私がお母さん。透華と一が衣のお姉さん。」 一「だ、ダメだよ。姉妹じゃ結婚できな…あっ!と、とーか、いまのはあの、その…」 透「/////」 そのころ、西東京では 照「──いまどこかで私の全てが否定された気がする…」 酒と泪と男と男 犬「ハギヨシさん。オレたち出番ないですね」 ハ「仕方ありません。ここは百合板ですから」 犬「ハギヨシさんなんてまだいいですよ。おいしいとこあるし。オレなんて空気ですよ。 最終回前なんてこのスレでも邪魔とかうざいとか。案の定、最終回じゃ置いてかれるし」 ハ「仕方ないんです。百合板ですから。私たちが出てきただけでスレチになってしまうんです」 犬「う、う、えっぐ、うぅ…」 家族2 透「衣?なに泣いてますのっ?」 衣「…夢をみたんだ。父君や母君みたいにみんないなくなっちゃう夢…」 純「バカだな。そんなこと、あるわけねーだろ?」 衣「でも父君も母君も衣を置いて、いなくなってしまった…」 一「大丈夫だよ、衣。もし、いつか離れ離れになってもボクたちはちゃんと心で繋がってる」 と「…私たちだけじゃない。衣のお父様もお母様もいつでも衣を見守っている」 純「おまえはどこにいても、一人ぼっちなんかじゃねーんだよ」 衣「ほんとうに…?」 透「本当ですわ、だって」 ───私たちは家族なのですから